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Golden Eye of Panther 林 恵理 (2006年度卒)


▲ストレングスのとおるコーチと一緒に



知らない場所や、初めて訪れた場所で、たまたま共通の友人や趣味を持つ人に出会ったりして、「世の中、狭いよねー」なんて盛り上がる瞬間は、きっと誰にでもあるはずです。とりわけ初顔合わせのときに、お互いフットボールに関わっていた、もしくは関わっていたことがあるということがわかると、話は⼀気に加速することはまちがいなし、です。


それはきっと、何かが始まるサイン。


立命館大学パンサーズでは2003-2006年度トレーナーをされていた林恵理さんがお仕事の都合で大阪府から石川県に越さ れたのが半年前の2021年10月。それならば・・・と、ご近所にお住まいの親族に紹介されたかたが早稲田大学のフットボール部の卒業生だったことから、話は⼀気にもりあがって、この春、石川県白山市に拠点があるワイセンベルグフラッグフットボールチームにジョインしてから2ヶ月ちょいになります。


▲ワイセンベルグフラッグフットボールチームのみなさん 


ワイセンベルグは北陸の社会人フットボールチームが母体となって活動しています。

チームは金沢大学キャンパス内のグラウンドで練習していること、チームのスタッフには北陸学生アメリカンフットボール連盟のスタッフもいらっしゃることから、北陸学生リーグの大学アメリカンフットボール部の現状を知ることになります。ご自身もフラッグフットボールの練習でけがのサポートや環境整備で気になることもあり、


なにか役に立てることはないかなーと思って」

「パンサーズのトレーナーとつなげてあげて、環境整備のきっかけになればいいなーなんて」

「もうすぐ先輩の飾磨さん(2003卒)のされてるJAD との企画もあるんですよー」



北陸学生連盟に所属のチームに声をかけて、5月中旬、金沢大学フットボール部のトレーナーのみなさんが立命館大学のフットボール部に練習見学に来られるためのコーディネートをされました。



▲ストレングスのトオルコーチと金沢大学トレーナーのみなさんとのやりとりがスムーズになるようにコーディネート(右端)


金沢大学のみなさんとは事前の時間がなかったので直接会って相談できず、LINEだけのコミュニケーション、それも1ヶ月ちょいで企画の展開、実行。スピード感が半端ない。金沢大学のトレーナーのみなさんが来られる前日入りされて、ポイントを押さえた練習見学が できるようにとストレングスグループとの練習内容や動線確認。お話のトーンはどこまでもゆるいですが、なんだか学生以上に、くるくるてきぱきとチームの中を動きます。



林さんが入学された2004年はこれまでのチームの歴史の中でも、ひとつの「時代」のまんなかでした。

「衣笠キャンパスからの移動でトレーナーの集合時間にはほとんど間に合わなかったし、間に合わなかったら自分の居場所はどんどんなくなるし・・・」

「練習中も選手や先輩トレーナーのみなさんの執念みたいなのに飲み込まれっぱなしで、サイドラインに近寄るのも怖くて・・」

「毎日いろいろなプレッシャーに押しつぶされてました。。。」


最終学年の2006年11月、チームは最終戦で関西学院大学に敗戦、やりきれない想いをそっと抱いて卒業する。

「あのときはあれで精一杯だったけれど、時間が経つにつれて、私、もっとできたんじゃないかって・・。」


卒業してから16年間、とびきりの脚光があたることもなくそっと静かに抱き続けてきた想い。ずっとあたりまえにあったものだけれど、あるとき突然誰かの困りごと、悩みごとに応えて記憶の一角からキラリとよびかけてくる。仕事もあるので大学時代よりも断然忙しいし、誰かに強制されているわけでもないけれど、今は北陸エリアでのアメリカンフットボールの発展に携わること、少しでも力になることで「自分がやらなくちゃいけないこと」の続きに向き合っている。


当然、わたしたちもその想いに応えたいわけです。 応えかたはいろいろ。フットボールがつなぎ続けるステキな関係っていうのは、きっと、こういうことなんだろうな。


「じゃ、またよろしくおねがいしますーおつかれさまでしたー」


と、ゆるめの挨拶を交わして、びわこ・くさつキャンパスのグリーンフィールドを離れたのは23時前。翌日は朝から石川県で仕事なのに。。。軽やかに去っていく後ろ姿は学生と何も変わりませんでした。



(了)

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